糖質を控えることで体重を減らす「糖質制限ダイエット」は、ここ数年で人気が急上昇しました。
コンビニやスーパーでも糖質オフの商品を見かけるようになり、気軽に取り入れる人が増えています。
確かに短期間で効果を感じやすい方法ですが、一方で「リバウンドした」「体調を崩した」といった声もあり、危険性も指摘されています。
本記事では、糖質制限のメリットとデメリット・リアルな口コミ・安全に行う方法まで詳しく解説します。
糖質制限は危険?糖質は体に必要な栄養素
糖質は炭水化物の一部で、体に欠かせない三大栄養素のひとつです。
1gあたり4kcalのエネルギーを生み出し、特に脳は糖質を主な燃料として利用しています。
糖質が不足すると「頭がぼうっとする」「疲れが取れない」など生活に影響する可能性も。
糖質はごはんやパン、果物など身近な食品に多く含まれ、日常生活の活力を支える重要な栄養素です。
糖質の摂取目安(1日の目安)
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、炭水化物(糖質+食物繊維)の摂取は総エネルギーの50~65%が望ましいとされています。
ただし、日頃の活動レベルによって摂取する量が変わるので注意してください。
活動レベル | 説明 | 例 |
---|---|---|
低い(I) | ほとんど運動をしない。日常生活も座っていることが多い。 | デスクワーク中心、運動習慣なし |
ふつう(II) | 座り仕事が中心だが、通勤や家事などである程度体を動かす。 | デスクワーク+日常的な歩行・買い物 |
高い(III) | 立ち仕事や外出が多い/運動習慣がある。 | 接客業・営業職、週に数回の運動習慣あり |
自分の活動レベルは把握できましたか?
次は、年代・活動レベルごとに必要な糖質を以下の表にまとめたので参考にしてください。
区分 | 1日の推定エネルギー必要量(kcal) | 糖質の目安(活動レベル:低い) | 糖質の目安(活動レベル:ふつう) | 糖質の目安(活動レベル:高い) |
---|---|---|---|---|
男性 18〜29歳 | 2,300〜3,050 | 約288〜374 g/日 | 約325〜423 g/日 | 約381〜496 g/日 |
男性 30〜49歳 | 2,300〜3,050 | 約288〜374 g/日 | 約344〜447 g/日 | 約381〜496 g/日 |
男性 50〜64歳 | 2,300〜2,950 | 約288〜374 g/日 | 約331〜431 g/日 | 約369〜479 g/日 |
女性 18〜29歳 | 1,750〜2,250 | 約219〜284 g/日 | 約244〜317 g/日 | 約281〜366 g/日 |
女性 30〜49歳 | 1,750〜2,300 | 約219〜284 g/日 | 約256〜333 g/日 | 約288〜374 g/日 |
女性 50〜64歳 | 1,650〜2,200 | 約206〜268 g/日 | 約244〜317 g/日 | 約275〜358 g/日 |
たとえば、18~20歳の女性で活動レベルが低い場合は、約219〜284 g/日が目安です。
これを大きく下回る糖質制限は、エネルギー不足や体調不良につながる可能性があります。
自分の年齢や活動量に合わせて、必要な糖質量を調整してくださいね。
糖質制限ダイエットとは?
糖質制限ダイエットにはいくつか種類があります。
代表的なのは「ケトジェニックダイエット」で、1日の糖質を40g以下に制限する方法です。
もうひとつは「ロカボ」と呼ばれる方法で、70〜130g程度に抑える緩やかな制限です。
いずれも糖質を減らすことでインスリン分泌を抑え、体脂肪が蓄積しにくい体にするのが目的です。
ただし、極端に制限すると体に負担がかかるため注意が必要です。
もともとは糖尿病治療の食事法だった!
糖質制限は、もともと糖尿病患者の血糖値を安定させるために研究された食事法でした。
健康な人が自己流で行うと、栄養不足や体調不良につながる可能性があります。
医師や管理栄養士の指導を受けずに始めるのはリスクが大きく、短期的な効果を期待して極端に行うのは危険です。
正しい知識を持って取り組むことが大切です。
糖質制限のメリットと人気の理由
糖質制限のメリットと人気の理由を紹介します。
短期間で効果を感じやすい
糖質を減らすと体内のグリコーゲンと水分が減少し、体重がすぐに落ちやすくなります。
そのため「短期間で痩せた」と実感しやすく、モチベーション維持につながります。
特に結婚式や旅行などのイベント前に取り入れる人が多いです。
ただし減った分の多くは水分や筋肉であり、脂肪が減ったわけではない場合もあるため、過信は禁物です。
食べながら痩せられると支持されている
糖質以外の食品は比較的自由に食べられるため、空腹感が少なく続けやすいのも特徴です。
肉や魚、卵、チーズなどをしっかり食べられるので「食べながら痩せられる」と感じる人も多いです。
糖質オフのお酒も飲めるため、ライフスタイルに取り入れやすいのが人気の理由です。
ただし、脂質やタンパク質の摂りすぎでカロリー過多になる危険もあるので注意が必要です。
過度な糖質制限の危険性とデメリット
過度な糖質制限の危険性とデメリットは、以下のとおりです。
- 栄養不足(ビタミン・食物繊維など)
- 便秘・体調不良・疲労感
- 筋肉量の低下と基礎代謝の減少
- リバウンドのリスク
- 脳のエネルギー不足
- ケトン体の副作用
それぞれ詳しく解説します。
栄養不足(ビタミン・食物繊維など)
糖質を減らすと、ごはんやパンと一緒に摂れていた食物繊維やビタミンも不足しがちです。
腸内環境が乱れ、便秘や肌荒れを起こす人も少なくありません。
糖質ばかりを悪者扱いするのではなく、バランスの良い栄養補給を心がけることが必要です。
便秘・体調不良・疲労感
糖質は体の大切なエネルギー源です。
不足すると疲労感やだるさ、頭痛が出ることがあります。
また水分を含む食品が減ることで便が硬くなり、便秘の原因になることもあります。

筋肉量の低下と基礎代謝の減少
糖質が不足すると体は筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。
その結果、筋肉量が減少し基礎代謝が落ちます。
代謝が下がれば脂肪燃焼も効率が悪くなり、リバウンドしやすい体質になってしまいます。
筋肉を保ちながら減量する方法が、ダイエットを成功させるコツです。
リバウンドのリスク
制限をやめた反動で過食に走りやすいのも糖質制限のデメリットです。
急に糖質を摂ると体に脂肪がつきやすくなり、リバウンドの原因になります。
糖質制限ダイエットで「痩せたのにすぐ戻った」という体験談はよくあるケースです。
脳のエネルギー不足
脳は、糖質を主な燃料としています。
不足すると集中力や判断力が低下し、仕事や勉強に支障をきたすことがあります。
「頭がぼんやりする」「イライラする」といった不調を感じたら、糖質不足のサインかもしれません。
ケトン体の副作用
糖質を極端に減らすと、脂肪分解によってケトン体が増えます。
ケトン体は一定量なら問題ありませんが、過剰になると体臭や口臭の原因となり、体調を崩すこともあります。
糖質制限ダイエットを避けた方がいい人
糖質制限は、万人向けではありません。
なぜなら、もともと糖尿病患者の血糖値を安定させるために研究された食事法だからです。
避けた方がいい人もいるため、該当していないか以下の表を確認してみてください。
区分 | 理由 |
---|---|
妊娠中・授乳中の女性 | 赤ちゃんと母体の成長に十分な栄養が必要な時期です。 糖質不足は発育に悪影響を与える可能性があります。 |
成長期の子ども | 体や脳の発達に糖質は不可欠。 不足すると集中力や体力の低下を招くことがあります。 |
高齢者 | 筋肉量が減りやすいため、 糖質制限によるエネルギー不足が体力低下や病気のリスクを高めます。 |
持病がある人 (糖尿病・腎臓病など) |
糖質以外の栄養素とのバランスが特に重要。 自己判断の糖質制限は病状を悪化させる可能性があります。 |
このような人は自己流で糖質制限を始めず、医師や管理栄養士に相談することが大切です。
糖質制限を実践した人の口コミ・体験談
糖質制限を実践した人の口コミ・体験談を紹介します。
成功した人の口コミ・体験談
3,4月のストレス暴食で70kg超えた危機感で始めたダイエット「ゆるい糖質制限」を続けて4ヶ月、
減量が10kg程に何か大事なものを失ってないか少し怖いが…
高知・原宿の期間は糖質制限解除してたけど
特にリバウンドもなく俺、来週の健康診断が終わったら
甘いケーキをお腹いっぱい食べるんだ…🏳 pic.twitter.com/O5AVIYfqds— すーさん@がんばらない (@Su3_daichu) August 28, 2025
実は2ヶ月くらい糖質制限をしていて、10kg以上痩せた
— H.KOSHIBA@弁理士//TOEIC950挑戦中😋 (@koshiba_jp) January 17, 2025
失敗した人の口コミ・体験談
ねぇ、糖質制限ばっかりしてた頃の私って。 テレビでやってた「糖質制限」を勘違い、ごはんやパンを食べなければ痩せるんだって夜は完全ぬき、朝だけおにぎりとかやってた。 でもね夜中に無性に食べたい欲求に負けてドカ食いしちゃってリバウンド。…
— ケイ|女性をキレイにする専門家 (@kei_room0) August 21, 2025
2023年7月〜8月
パーソナルジム通い糖質制限して2ヶ月で5kg減
↓
2023年9月〜12月
目的完了してジム契約と糖質制限終了し3ヶ月で見事7kgリバウンド
↓
2024年コスプレ再開
写真見てこれはやばいと気づく
↓
2025年 減量中グラフの推移がすごい😂 pic.twitter.com/KAFJbsfXJU
— エム🕊️ (@emuto33) June 20, 2025
もうぜーったい糖質制限はしないと誓います。糖質制限で去年の夏4〜5キロ落ちたけど冬に3キロぐらいリバウンドして今ほんとに落ちない🥲🥲
— 𝚢𝚞𝚗♡ (@U6x6U_o0O) July 10, 2025
糖質制限をするときのポイント
糖質制限するときのポイントは、以下のとおりです。
- 糖質の1日摂取量を下回らない
- 野菜・たんぱく質・脂質をバランスよく摂る
- 間食を見直す
それぞれ詳しく解説します。
糖質の1日摂取量を下回らない
糖質制限をする際に大切なのは、必要量を大きく下回らないことです。
糖質は脳や体を動かす大切なエネルギー源なので、ゼロにすると集中力の低下や体調不良につながります。
目安は1日の摂取エネルギーの50〜65%です。
先述にも「糖質の1日摂取量の目安」を紹介しました。
制限する場合も、この範囲を極端に下回らないように気をつけましょう。
野菜・たんぱく質・脂質をバランスよく摂る
糖質を制限する分、他の栄養素をしっかりとることが大切です。
特に野菜はビタミンや食物繊維を補い、便秘予防や肌荒れ改善に役立ちます。
たんぱく質は筋肉を守り、代謝を維持するために欠かせません。
魚や肉、大豆製品などをバランスよく取り入れると安心です。
間食を見直す
糖質制限をするときは、まず間食から見直すのがおすすめです。
お菓子やジュースは単純糖質が多く、血糖値を急上昇させやすいので控えるのがおすすめです。
代わりにナッツやチーズ、無糖ヨーグルトなどを選べば腹持ちも良く、栄養バランスも整えやすくなります。
小さな工夫ですが、毎日の積み重ねが無理なく続けられる糖質制限につながります。
糖質制限以外のダイエット方法も考えてみよう
糖質制限だけがダイエットではありません。体質や生活スタイルに合う方法を選ぶことが大切です。
方法 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
カロリーコントロール | 食事全体のカロリーを調整する。 食べる量を管理しやすい。 |
数字で管理するのが得意な人。 バランスを大切にしたい人。 |
運動を取り入れる | 筋トレやウォーキングなどで消費カロリーを増やす。 基礎代謝アップにもおすすめ。 |
体を動かすのが好きな人。 リバウンドを防ぎたい人。 |
アプリやサービスを活用 | 食事記録や運動サポートができるアプリを利用。 継続しやすさがアップ。 |
ひとりでは続けにくい人。 サポートが欲しい人。 |
糖質制限が合わないと感じたら、カロリーを見直したり運動を組み合わせたりするのもおすすめです。
アプリや宅配サービスを使えば手軽に管理できるので、自分に合った方法を選んでみましょう。
まとめ:糖質制限は「短期間で効果を感じやすい」一方でリスクもある
糖質制限は「短期間で効果を感じやすい」というメリットがある一方で、栄養不足や体調不良、リバウンドといったリスクもあります。口コミを見ても、成功する人と合わない人がはっきり分かれるダイエット方法です。
大切なのは、糖質をゼロにしないで1日摂取量を守ること。
そして野菜やたんぱく質をしっかり食べ、間食を工夫するなど、バランスの取れた食生活を心がけることです。
糖質制限が合わないと感じたら、カロリー管理や運動など他の方法も検討してみましょう。
自分に合ったスタイルを見つけることが、無理なく続けられるダイエットの近道です。
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